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用語集

レイヤー4負荷分散とレイヤー7負荷分散の違いとは?

レイヤー4負荷分散は単純な負荷分散アルゴリズムと、サーバー接続や応答時間、IPアドレスやポート番号をなどを利用し負荷分散を行います。レイヤー7負荷分散は HTTP/HTTPSのヘッダー情報やメッセージの内容、URLタイプ、クッキーデータなど、より詳細な情報に基づいて負荷分散を行います。

負荷分散は アプリケーション配信コントローラー(ADC)の最も重要な機能の1つで、サーバー間でネットワークトラフィックを最適に分散し、可能な限り最高のアプリケーションパフォーマンスとアプリケーションの可用性を提供します。負荷分散にはいくつかの方法があります。レイヤー4の負荷分散、レイヤー7の負荷分散、さらにはL4 /L7負荷分散という表現を目にすることがあると思います。これは何を意味するのでしょうか。また、これらのうちどれが最も有用なのでしょうか。

レイヤー4負荷分散とレイヤー7負荷分散の違いは、ネットワークのOSI(Open Systems Interconnection)参照モデルに基づいています。レイヤー4ロードバランサーはトランスポートレイヤで動作し、TCPとUDPプロトコルを使用し、単純な負荷分散アルゴリズムと、サーバー接続や応答時間などの基本情報に基づいてトランザクショントラフィックを管理します。一方、レイヤー7ロードバランサーはアプリケーションレイヤ(OSI参照モデルの最上位層)で動作し、HTTP/HTTPSのヘッダー情報やメッセージの内容、URLタイプ、クッキーデータなど、より詳細な情報に基づいてルーティングを決定します。L4/L7ロードバランサーは、データの保存、操作、通信サービスを提供するOSIレイヤー4からレイヤー7にわたる一連のネットワークサービスに基づいてトラフィックを管理します。

それぞれの価値を理解するために、まず、それぞれのアプローチの違いを見ていきます。

レイヤー4負荷分散とレイヤー7負荷分散の比較

レイヤー4負荷分散

トランスポートレイヤで動作するレイヤー4負荷分散は、メッセージの実際の内容を可視化することなく、アプリケーションポートやプロトコルなどのネットワーク情報に基づいてトラフィックを管理します。これは、単純なパケットレベルの負荷分散に有効です。メッセージの検査や復号を行わないため、迅速かつ効率的で安全な転送が可能です。一方、レイヤー4の負荷分散ではコンテンツに基づく判断ができないため、メディアタイプやローカライズのルールなど、ラウンドロビンルーティングのような単純なアルゴリズム以上の条件でトラフィックをルーティングすることはできません。

レイヤー7負荷分散

レイヤー7負荷分散はアプリケーションレイヤで動作し、HTTPやSMTPなどのプロトコルを使用して、各メッセージの実際のコンテンツに基づいて決定を行います。レイヤー7のロードバランサーは、トラフィックの中身をチェックしないまま転送するのではなく、ネットワークトラフィックを終端し、必要に応じて復号を行い、メッセージを検査し、コンテンツベースのルーティングを決定し、適切な上位サーバーに新しいTCP接続を開始し、リクエストを送信します。

レイヤー7の処理では、暗号化はパフォーマンスに影響を与える可能性がありますが、SSLオフロード機能を使用することでこの影響を大幅に減らすことができます。レイヤー7の負荷分散は、アプリケーションレイヤで動作して、よりインテリジェントな負荷分散とコンテンツの最適化を可能にします。クッキーを読み取ったり挿入したりすることで、ロードバランサーは特定のクライアントセッションを識別し、サーバーの永続性(スティッキーセッション)を提供します。つまり、同じクライアントからのすべての要求を同じサーバーに送信し効率化を図ることができます。パケットレベルの可視性により、コンテンツ キャッシングにより、頻繁にアクセスされる内容をメモリに保持し、簡単に取得できるようにすることができます。。現代の組織にとって重要なのは、単一コネクション上の多重化されたリクエストを処理するための知見をレイヤー7負荷分散が提供することで、トラフィックを最適化しオーバーヘッドを削減することです。

ADCにL4ロード負荷分散/L7ロード負荷分散が必要な理由

レイヤー7のロードバランサーはより広範な機能を提供し、よりインテリジェントなルーティングの決定を可能にしますが、それぞれに適切なユースケースがあります。レイヤー7は、インテリジェントなルーティングの決定、最適化、およびパフォーマンス向上を可能にするために不可欠な可視性とアプリケーション認識を提供します。例えば、ブラウザのヘッダーに表示される言語を利用して、訪問者を適切なコンテンツバージョンにリダイレクトすることができます。コンプライアンス、コンテンツのローカライズ、効率性といった組織の要件を満たしながら、あらゆるユーザー、デバイス、ロケーションに最高の体験を提供するために、ADC はレイヤー 4 とレイヤー 7 の両方で負荷分散機能を提供し、さまざまな異なるアプリケーションニーズに対応する必要があります。

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