A10ネットワークスは、これまで統合セキュリティソリューションであるA10 Defendブランド下にDDoS攻撃に特化した製品群を配していましたが、このたび、より広範なサイバー攻撃対策ブランドとして再構築するとともに、最新のハードウェアプラットフォームを採用した新製品としてハイエンドモデルおよびエントリーモデルを日本市場にて提供開始します。
■背景
WebサイトやWebアプリは今や企業活動にとって必須のビジネス基盤であり、それゆえにサイバー攻撃のターゲットになっています。2024年12月から2025年1月の年末年始に航空会社や金融機関などに対するDDoS攻撃が多く発生し、その状況は弊社ブログ *1でも取り上げました。また、AI技術の進歩と普及により、今後DDoS攻撃が増大する懸念についても触れました *2。Webアプリケーションファイアウォール(WAF)の重要性も増しています *3。
- *1
- ブログ「サイバーセキュリティの重要性とDDoS攻撃対策」
- *2
- ブログ「AIを組み込んだDDoS攻撃を操るサイバー犯罪者」
- *3
- ブログ「今日の脅威環境における次世代Webアプリケーションファイアウォール(WAF)の重要性」
これまでのA10 Defendブランド配下の製品はDDoS攻撃対策を主としてきましたが、このたび、より本質である「お客様のWebサイト・Webアプリを守る」ことを目的とするブランドとして進化しました。新ブランドは、エンタープライズ、官公庁・自治体、通信キャリア、サービスプロバイダといったあらゆる分野、様々な規模のお客様に向けて、WebサイトやWebアプリをサイバー攻撃から守るための総合セキュリティソリューションを提供します。
■A10 Defendとは
統合セキュリティソリューションであるA10 Defendは、日本市場の場合、以下の製品から構成されます。(2025年2月現在)
- A10 Defend DDoS Detector(旧称:A10 Defend Detector)
攻撃トラフィックを効率的に検知する、ハードウェアアプライアンス/仮想アプライアンス。 - A10 Defend DDoS Mitigator(旧称:A10 Defend Mitigator)
DDoS攻撃を自動的にインテリジェントに緩和する、ハードウェアアプライアンス/仮想アプライアンス。 - A10 Defend DDoS Orchestrator(旧称:A10 Defend Orchestrator)
シームレスなDDoS対策のための統合管理。A10 Control(後述)の一機能として提供されるソフトウェア製品。 - A10 Defend Threat Control
DDoS攻撃対策に特化し能動的防御を可能にする脅威インテリジェンス。 - A10 Defend Next-Gen WAF, Powered by Fastly(旧称:A10 Next-Gen WAF, Powered by Fastly)
誤検知の非常に少ない次世代WAF+ADC(Application Delivery Controller)。

■新製品:400G I/F対応、新ハイエンドモデル「A10 Defend DDoS Mitigator Thunder 8665S TPS」
クラウドサービスの利用増加、人工知能(AI)、機械学習(ML)、5G、IoT技術の普及に伴い、データトラフィックは増加し、DDoS攻撃も大規模化しています。そのため、通信事業者やインターネット接続事業者(ISP)は、大規模トラフィックを効率的に処理するだけでなくDDoS攻撃対策のアップデートが必須となっています。
このたびA10は、既に提供開始している第6世代ハードウェアアプライアンスのA10 Thunder 8665SをA10 Defend DDoS Mitigatorとしてもご利用いただけるよう、新たにA10 Defendブランドとして配しました。広帯域なバックボーンネットワークに直収できる400G × 12ポートを標準搭載し、コンパクトな筐体で高いパフォーマンスを実現するとともに、通信事業者やサービスプロバイダのコスト削減と運用効率向上に貢献します。
■新製品:DDoS攻撃対策のための新しいエントリーモデル「A10 Defend DDoS Mitigator Thunder 1060S TPS」
冒頭に記しましたように、エンタープライズのネットワークも攻撃対象となっていることから、エントリーモデルのA10 Thunder 1060SもA10 Defend DDoS Mitigatorとしてもご利用いただけるようA10 Defendブランドに配しました。
ネットワークインターフェイスとして、1Gカッパーポート、10G/25Gファイバポート、1G/10Gファイバポートを有しており、新しいライセンス体系であるモジュラーライセンス *4で提供されます。旧モデルからCPUコア数やメモリを増強するなど、他社製品と比較して高いコストパフォーマンスを実現しています。また、消費電力や発熱量、ラックスペースを少なくすることで、データセンター等の効率化にも貢献します。
- *4
- ソフトウェアとハードウェアを分離し、同一ハードウェアであっても帯域やその他のスペックによってカバーする領域を分けて提供するライセンス形態。PerpetualとSubscriptionの2種が存在する。例えば、A10 Defend DDoS Mitigator Thunder 1060S TPSでは、同一ハードウェア同一モデルでありながら、防御帯域5G, 10G, 20Gの3種を展開。
■進化:A10 Defendに対応する統合プラットフォーム「A10 Control」
A10 Controlは、上述のA10 Defend配下の製品群や、その他のA10製品全てを統合管理するための新プラットフォームです。従来のDDoS製品の統合管理ツールである「A10 Defend DDoS Orchestrator」と、従来のA10 Thunderシリーズの管理システム「A10 Harmony Controller」を統合し進化させた管理・分析、可視化プラットフォームとなります。さらに、A10 ControlにてA10 Defend Next-Gen WAFなどを管理するアップデートも近く予定しています。
■Webサイト・Webアプリの防御策はアップデートが必要
AI技術の発展により、今後DDoS攻撃が一層巧妙になり、大規模化・高精度化することが予測されます。これに対抗するためには、既存の防御策から最新技術を活用したものへとアップデートすることが必要です。A10は、長年ネットワークセキュリティに取り組んできた実績と知見をもとに、お客様からの真のニーズにお応えし、今後も安心して運用いただける製品の提供を目指しています。
新しい「A10 Defend」ブランドを通じて、今日のみならず未来の脅威に立ち向かうための準備を整えていただけるようA10がサポートいたします。製品に関する詳細な情報や導入についてのご相談は、どうぞお気軽にお問合せください。
■提供開始時期
A10 Defend DDoS Mitigator Thunder 8665S TPSはすでに提供開始しています。A10 Defend DDoS Mitigator Thunder 1060S TPSおよびA10 Controlの提供開始は第2四半期中を予定しています。