昨今、サイバー攻撃の脅威はますます増大しており、その中でもDDoS(分散型サービス拒否)攻撃は特に深刻な問題となっています。内閣サイバーセキュリティセンターが発表した最新の注意喚起によれば、昨年12月から本年1月にかけて、航空事業者、金融機関、通信事業者などが標的となり、IoTボットネットを利用したUDPフラッド攻撃やHTTPフラッド攻撃が多発しました。今後、大規模な攻撃が発生する可能性も否定できません。

そこで本ブログでは、DDoS攻撃の概要とその対策について詳しく解説するとともに、A10ネットワークスが提供するDDoS対策製品について紹介します。

DDoS攻撃の概要

DDoS攻撃は、多数のコンピュータを利用して特定のサーバやネットワークに大量のトラフィックを送り込み、サービスを停止させる攻撃手法です。攻撃者は、感染したIoTデバイスやボットネットを利用して、ターゲットに対して一斉にリクエストを送信し、サーバのリソースを枯渇させます。これにより、正当なユーザーがサービスを利用できなくなり、企業にとっては大きな損失となります。

DDoS攻撃のリスク低減に向けたセキュリティ対策

では、DDoS攻撃に備えるにはどうすればよいのでしょうか?DDoS攻撃への対策にはさまざまな手段が考えられますが、以下を参考に、取り組んでいくことが重要です。

被害を抑えるための対策

  1. 海外IPアドレスからの通信遮断:攻撃の多くは海外から発信されるため、特定の国や地域からの通信を遮断することでリスクを低減できます。
  2. 専用の対策装置やサービスの導入:DDoS攻撃を検知、緩和することができる専用の装置や、サービスを利用することで、攻撃からサービスを防御することが可能です。
  3. CDNサービスの利用とオリジンサーバのIPアドレス隠蔽:CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を利用することで、トラフィックを分散させ、オリジンサーバの負荷を軽減できます。また、オリジンサーバのIPアドレスを隠蔽することで、直接攻撃を防ぐことができます。
  4. 通信回線の冗長化とサーバ設定の見直し:複数の通信回線を用意し、負荷分散を行うことで、攻撃による影響を最小限に抑えることができます。また、サーバの設定を見直し、セキュリティを強化することも重要です。
  5. 脅威インテリジェンスの利用:グローバルな脅威データを分析し、DDoS攻撃の新たな手法や攻撃元を特定することで、早期検知および予防を可能にします。これにより組織は事前に防御策を講じ、攻撃パターンを把握して効果的な防御戦略を立案できます。

被害を想定した対策

  1. システムの重要度に基づく選別と分離:重要なシステムとそうでないシステムを分離することで、攻撃が発生した場合の影響を限定的にすることができます。
  2. 平常時からのトラフィック監視と異常通信時のアラート設定:通常のトラフィックパターンを把握し、異常な通信が発生した際に即座にアラートを発する設定を行うことで、迅速な対応が可能になります。
  3. ソーリーページの設定と対策マニュアルの策定:攻撃が発生した際に表示するソーリーページを事前に設定し、対策マニュアルを策定しておくことで、混乱を最小限に抑えることができます。

DDoS攻撃への加担を防ぐ対策

  1. オープン・リゾルバ対策:オープン・リゾルバを適切に設定し、攻撃に利用されないようにすることが重要です。
  2. セキュリティパッチの適用:システムやソフトウェアの脆弱性を修正するためのセキュリティパッチを定期的に適用し、攻撃のリスクを低減します。
  3. フィルタリング設定の見直し:ネットワーク機器のフィルタリング設定を見直し、不正な通信を遮断することで、攻撃の影響を最小限に抑えることができます。
  4. 脅威インテリジェンスの活用:脅威インテリジェンスの情報を分析し、自組織のデバイスがボット化してDDoS攻撃に利用される「DDoS武器」になっていないかを監視します。武器化されている場合は、適切な対策を講じます。

A10ネットワークスのDDoS対策製品

A10ネットワークスは、DDoS攻撃に対する強力な対策製品A10 Defend Suiteを提供しています。高度なDDoS攻撃をリアルタイムで検知し、迅速に対応することが可能です。

A10 Defendの主な特徴:

  • 高性能なトラフィック処理能力:大規模なDDoS攻撃にも対応可能な高性能なトラフィック処理能力を有しています。
  • リアルタイムの攻撃検知と対応:AIと機械学習を活用したリアルタイムの攻撃検知と自動対応機能により、迅速な防御を実現します。
  • 柔軟な導入オプション:オンプレミス、クラウド、ハイブリッド環境に対応した柔軟な導入オプションにより、あらゆる環境で活用いただけます。
  • DDoSに特化した脅威インテリジェンス:組織内・外のDDoS武器を把握し、攻撃を防ぐための事前対策を支援します。

A10 Defend Suiteを導入することで、企業は迅速かつより高い精度でDDoS攻撃からの防御を強化し、ビジネスの継続性を確保することができます。A10 Defend Suiteについて詳しくはこちらをご覧ください。