本記事では、本社A10 NetworksのADC(アプリケーション・デリバリー・コントローラー)担当シニアプロダクトマーケティングマネージャーであるScott Grebeによる、2021年のアプリケーション配信に関する10の予測を紹介します。

我々は現在、アプリケーション中心の社会にいます。仕事をしたり、コミュニケーションを取ったり、エンターテイメントをストリーミングで見たり、健康状態をチェックしたりするなど、数多くのことにアプリケーションを活用しています。この数年で、デスクトップアプリやモバイルアプリの数は劇的に増加しました。

そしてアプリケーション配信環境も変化しています。アプリケーション配信においてクラウドは大きな役割を果たしており、オンプレミスのデータセンターからハイブリッドやマルチクラウドへと移行が進みました。そしてもちろん、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は、2020年のアプリケーションの構築、配信、利用の方法に大きな影響を与えました。

さて、2021年は何が起きるでしょうか?今回は、2021年のアプリケーションとアプリケーション配信に関する10の予測を紹介します。

2021年のアプリケーションとアプリケーション配信に関する10の予測

  1. COVID-19 の拡大が続き、社員や学生がリモートで仕事をしたり学習をしたりする中で、Zoom や WebEx と直接競合するような新しいテレビ会議アプリが台頭するでしょう。
  2. 同様に、COVID-19の影響で在宅勤務が増えていることから、クラウド上でのアプリケーション配信に対する需要は今後も高まると考えられます。パブリッククラウドやプライベートクラウドの利用計画が加速する企業や、需要の高まりにより計画を見直す企業もあるでしょう。
  3. クラウドへの移行は今後も加速し、2021年末までに90%以上の企業がハイブリッドクラウド戦略を採用するでしょう。
  4. Microsoft 365は、依然最も利用されているアプリとなりますが、Workdayなどの人事系のアプリの利用が進み、その差を縮めるでしょう。
  5. アプリに対するコンシューマの購入意欲は高まり続け、Apple App StoreとGoogle Playで利用できるアプリの数は550万を超えるでしょう。
  6. 2020年には、企業のワークロードの83%がクラウドになると予想されていました。この数は2021年には90%以上に増加します。これにより、安全なアプリケーション配信とロードバランシングのニーズが飛躍的に高まるでしょう。
  7. オンラインでの仕事や買い物に欠かせないビジネスアプリの数と利用量の増加に伴い、事業者は脆弱なアプリケーションへのサイバー攻撃対策として、ウェブアプリケーションのセキュリティに多くの予算を費やすでしょう。
  8. アプリケーション開発と配信のライフサイクルを合理化するために、多くの組織がDevOpsを採用し、自動化ツールへの関心が高まり、同市場は成長するでしょう。
  9. データセンターがハードウェアへ多額の投資をすることにより、アプリケーション配信に「クラウドのみ」ではなく、ハイブリッドクラウドを採用する組織が予想以上に増えるでしょう。
  10. アプリケーションのコンテナ化がより一般的し、2021年末までには、40%の企業がアプリケーションの半分以上をコンテナ化するでしょう。

パンデミックの影響で生活が一変した昨年は、多くの人が自宅で仕事をする日々を過ごしました。学生はオンラインで学習し、オンラインショッピングやアプリによる食事の注文や配達は、遠隔医療と同様に劇的に増えました。これらの変化はすべて、アプリケーションによるものです。こうした傾向は2021年以降も続くと予測され、世界経済は恒久的に変化し続ける可能性もあります。

また、さまざまなデバイスや場所からアプリケーションにアクセスするようになることを悪用するサイバー攻撃の増加も予想されます。アプリケーションとネットワーク保護のための対策は非常に重要となり、アプリケーション配信のインフラを強化することは組織にとって必須です。

我々は、より良い時代を迎えています。アプリケーションの開発と配信における進歩は、私たちの仕事と生活を向上させます。イノベーションはすぐそこまで来ているのです。