輪島市、クラウド認証負荷の軽減と災害復興の加速に向けて「A10 Thunder CFW」を活用

革新的なアプリケーションネットワーキングとセキュリティソリューションを提供するA10ネットワークス株式会社(本社：東京都港区、日本法人代表 兼 社長 米国本社バイスプレジデント 日本 アジア太平洋地域 代表：川口 亨)は、石川県輪島市(以下、輪島市)が、統合型セキュリティアプライアンス「A10 Thunder CFW」を導入したことを発表します。

三層分離の庁内ネットワーク環境におけるローカルブレイクアウトにより、クラウドサービスの認証・運用負荷を軽減するとともに、災害への応援職員を含む500名以上の職員がセキュアかつ高速にクラウドへアクセスできる業務基盤を構築しました。A10 Thunder CFWによるローカルブレイクアウトは、日々の業務を円滑にするだけでなく、万一の対策としても事業継続性を強化する重要な役割を果たしています。

■ 導入背景

輪島市では、広報・観光向けの動画制作や冊子デザインに活用するAdobe Creative Cloudや、全庁展開予定のMicrosoft 365など、クラウドサービスの認証作業において、端末ごとの個別認証や個別アップデートが大きな業務負担となっていました。また、オンライン申請など住民との接点になる部分においても、LGWAN端末から安全にクラウド利用できる環境が求められていました。

こうした背景を踏まえ、自治体分野での豊富な実績に加え、輪島市のGIGAスクール構想におけるA10のローカルブレイクアウト運用経験を評価し、コストパフォーマンスに優れたA10 Thunder CFWを採用しました。

■ 導入効果

輪島市は、三層分離の庁内ネットワークに冗長化構成でA10 Thunder CFWを設置し、クラウドアクセスに特化したローカルブレイクアウトの経路制御を実装しました。これにより、セキュアで柔軟なクラウド利用環境を実現。さらに、2024年に発生した能登半島地震や集中豪雨からの復興に際しては、応援職員向けの業務環境を迅速に整備するなど、急激な環境変化にも柔軟に対応できる体制を構築しました。

• 認証・更新作業の大幅な効率化
  Windowsライセンス認証やAdobe利用時の認証に伴う手間と時間を削減。WSUSに依存しないアップデート環境を構築し、LGWAN環境におけるOSのセキュリティを担保。
• 応援職員を含む500名超が活用可能なネットワーク
  震災復興に伴い急増した応援職員向けデバイスへの対応として、Microsoft Officeをサブスクリプション化し、必要な環境をローカルブレイクアウト経由で迅速に整備。
• 業務継続性に寄与
  被災直後、LGWAN接続系が物理的に断絶した場面でも、一部回線の活用とインターネット接続端末により、県・周辺自治体との連絡を継続。事業継続の観点でも、LGWANからインターネットへのブレイクアウトの重要性を再認識。
• "ガラパゴス化"抑止と標準技術の活用促進
  情報・運用が特定ベンダや手続きに過度に依存する状態から脱し、自治体の選択肢拡張と持続可能な運用を実現。

■ 今後の展望

輪島市は、庁舎内のファイルサーバーや原課のNASをクラウドストレージへ移行し、IP制限付きローカルブレイクアウトでの安全なアクセスを検討しています。将来的にMicrosoft 365 E3の選択も視野にMicrosoft Defenderのオプション機能を活用して、コスト最適化とセキュリティ強化を図る構想を描いています。

また、Microsoft TeamsやZoomによる保守事業者との円滑なコミュニケーションに加え、住民支援において画面共有などを活用し、来庁不要で待ち時間を削減したサービス提供を模索しています。

石川県のβ'モデル移行を踏まえ、輪島市も現行のα'モデルからの移行可能性を見据えつつ、モデルが変わってもLGWAN端末からのクラウド活用という行政現場のニーズに応えるべく、A10の活用領域拡張を検討します。

■ A10 Thunder CFWについて

A10 Thunder CFWは、企業や自治体のクラウドサービスの活用促進に必要となるさまざまなネットワーク・セキュリティ機能を統合したセキュリティプラットフォームです。通信制御機能により、クラウドサービスのドメイン名を基に、通信を柔軟かつ正確に振り分け、ネットワークの逼迫にも対応します。また、A10 Thunder CFWは自治体のネットワーク環境における通信を集約し、Microsoft 365の通信を直接インターネットに振り分けるとともに、インターネット回線の負荷分散も担い、レスポンス低下やアクセス遅延を防ぎます。さらに、不定期に更新されるMicrosoft 365ドメインの自動更新にも対応しているほか、日本語による分かり易いGUIにより運用の負荷軽減にも寄与します。