※本ブログは米国時間2025年3月18日に公開されたA10本社ブログの日本語訳です。原文はこちらからご覧ください。

2025年、ハイブリッドクラウド環境は、ITインフラのモダナイゼーションを目指す企業にとっての基盤として注目されています。AI駆動型ツールの活用からパフォーマンス、サステナビリティ、セキュリティの強化まで、ハイブリッドクラウドは効率と成長の新時代への道を切り開いています。実際、Flexeraの2024年クラウドの現状レポートによると、現在、企業の73%がハイブリッドクラウド環境を使用しており、柔軟性、拡張性、制御のバランスをとるためにハイブリッドクラウドが適切であることが反映されていると言えます。

同様に、米国とEMEAの500人以上の回答者を対象にした最近のA10ネットワークスの調査「2025年のアプリケーション負荷分散の状況」によると、EMEAのITプロフェッショナルの44%がクラウドファーストのアプローチを支持しています。さらに、37%がクラウドネイティブのアプローチを選択し、44%がITの近代化が最優先事項であると述べています。

柔軟性、俊敏性、拡張性が必要

ITチームは、基盤となるインフラとアプリ配信のためのソリューションに、より高い柔軟性、俊敏性、拡張性を求めることになります。しかし、こうしたソリューションの従来のライセンススキームは、多くの場合、静的でキャパシティが固定されています。さらに、ハイブリッド環境を運用するITプロフェッショナルは、複数のクラウドとオンプレミス環境にまたがるアプリ配信インスタンスの管理を余儀なくされますが、これは複雑で困難で、時間がかかり、コストもかかります。

2025年になっても多くの組織が依然としてこれらの課題に直面していますが、プロセスを合理化し、コストを削減し、ITチームの作業を楽にできる代替オプションが利用可能になっています。

歴史的に、ソフトウェアライセンスは永続的、インスタンスベース、静的で、容量が固定されている傾向がありました。そのため、拡張性は制限されていました。ITプロフェッショナルは数百または数千のライセンスの管理を担当する場合がありますが、これらのライセンスは柔軟性に欠け、多くの場合は環境間で移動できません。

容量の効率的な割り当ては複雑でコストがかかる

組織がオンプレミスやパブリッククラウド間でワークロードを分散するにつれて、容量の効率的な割り当てがますます複雑になり、コストも高くなります。実際、調査回答者の44%がベンダのライセンスやサポートの体系変更に適応することが困難であると報告し、39%がライセンスコストの大幅な増加を経験しました。

必要な環境に適したライセンスの管理と確保は、組織にとって常に悩みの種でした。ハイブリッド環境ではこれが顕著に現れます。不正確な容量設計を伴う従来のソリューションは、財務上の問題を引き起こす可能性があります。また、多くの企業は必要なリソースが常に使えるように、余分にリソースを確保しており、その結果、支出が過剰になっています。また、将来のニーズを過小評価してサービス停止のリスクを負ってしまう企業もあります。

どちらのアプローチも多額の資本支出を必要とし、調達サイクルが長いため、たとえば組織が軌道修正したい場合には制約となります。

これらは、ITアジリティを制限し、ビジネスの運用を制限するため、組織は時間の経過とともに要件が増大するにつれて拡張できる柔軟なライセンスモデルに注目するようになります。さらに、ネットワークとサービスの容量は、同じような環境内でも把握するのが難しいですが、これが複数のクラウドや自社のデータセンタに分散している場合は、さらに複雑になってしまいます。

FlexPool:使用量ベースの帯域ライセンス

A10ネットワークスのFlexPool による使用帯域ベースのライセンスにより、組織は必要なときに必要な場所にA10のセキュリティ機能やアプリ配信サービスを展開できます。FlexPoolは、クラウドコンサンプションモデルに合わせたサービスの動的な割り当てを可能にし、余分なライセンス割り当てを排除することができるスケーラブルな帯域ライセンスプールです。

この帯域ライセンスは、より大きな価値を提供し、コストを抑え、将来の容量計画にも柔軟に対応できます。ハイブリッドクラウドインフラ内の仮想アプライアンス、ベアメタル、ハードウェア間で移動させることができる帯域ライセンスのプールにより、組織の選択肢が広がります。

柔軟なライセンスにより、組織は帯域を動的かつ柔軟に割り当て、必要に応じてそのプールを共有できます。これにより、ITサービスチームは、サービス中断を回避しつつ、インスタンスを必要に応じて柔軟に組み合わせることが可能になります。

さらに、FlexPoolを使用すると、チームはデータセンタや複数のクラウド間で帯域ライセンスを柔軟に割り当て、再配分できるため、運用のレジリエンス、ビジネス継続性、DORAやNIS2などの新しいEU規制への準拠が可能になります。

柔軟なライセンスモデルを使用する場合

インフラを最新のアプローチで更新しようとすると、柔軟なライセンスモデルが重要になります。チームが仮想化環境や DevOps 環境に移行するか、自動化を強化するかに関係なく、ライセンスは柔軟で移植性が高く、拡張可能である必要があります。

柔軟性と拡張性とは、次のことを意味します。

  • インスタンスの容量が拡張可能かつ変更可能であり、帯域ライセンスの増減ができること
  • インスタンスを別のホストまたは場所に移動する可能性があるため、ライセンスもプラットフォーム間の移行や、利用可能な場所の変更が可能であること
  • ソフトウェアのアップグレードやトラブルシューティングなどのために、インスタンスを新しく作成されたインスタンスに置き換えることが可能であること

インフラが絶えず作成され、インスタンス間でリソースを移動する必要がある今日の動的なハイブリッドクラウド環境では、柔軟な使用量ベースのモデルが必要です。組織はライセンスをよりコスト効率よく管理および最適化して利用できるようになります。