本記事は、米国で発行されたブログをベースに執筆しています。

新型コロナウイルスの流行によって、デジタルレジリエンスの重要性が浮き彫りになりました。いまや米国の従業員の実に64%が自宅で仕事をするなど、オンラインの利用は急速に拡大しています。消費者の行動も大きく変化し、銀行、小売、メディア、エンターテイメント、そしてヘルスケアまでがオンラインに活動の場を移しています。

変化の激しいこの時代において、仕事であれプライベートであれ、日常生活のどの場面においても高品質なアプリケーション配信(ADC)と信頼できるセキュリティが求められるようになってきており、アプリケーションのパフォーマンス向上と可用性の確保は、もはやほとんどの企業において生き残りをかけた重要な課題となっています。

70%の企業がDXへの投資を継続

一方で、既存のリソースでアプリケーションのパフォーマンスと可用性を維持するだけでは、企業が生き残るには不十分です。今日のデジタル化社会において競争力のあるビジネスを実現するには、俊敏性と革新性が必要です。実際、70%の企業は、過去1年間の不透明な経済状況に直面しても、DXへの投資を維持または増加させることを計画しています。

このことから、企業はアプリケーションの開発、デプロイ、変更、管理をシンプルかつ効率的に行う方法を求めており、そのデジタルビジネス戦略の中心にはDevOpsが据えられています。

DevOpsを採用している企業は、ソフトウェアのデプロイ数が46倍、変更までのリードタイムが440倍になったという結果が出ています。ここでもADCは、DevOpsが可能にするスピードとアジリティを実現するために重要な役割を担っています。

もちろん、ADCを導入するだけでは解決にはなりません。これらの要件を満たすには、適切なADCの機能を、適切な方法で導入することが必要です。ここでは、ADCがビジネスや顧客のDXのニーズを満たすために考慮すべき点をいくつか紹介します。

ADCでアプリケーションパフォーマンスや可用性、セキュリティを確保

アプリケーションを使用するのが顧客であれ従業員であれ、提供するアプリケーションの品質はデジタルビジネスのパフォーマンスに直接影響を与えます。顧客がアプリケーションやサービスに不満を感じたり効果的に利用できなかったりすると、ロイヤルティは失われ、その売り上げは競合他社に奪われてしまいます。

実際に40%の企業が、1時間のダウンタイムがビジネスに与える損害額は約1億円から5億円以上になると述べています。このことからもパフォーマンスと可用性が確保された信頼性の高いアプリケーションを提供することの重要性が分かります。

アプリケーション配信ソリューションがあれば、データセンターやクラウド環境上のデバイスやアプリケーション、ポリシー、ユーザーなどを総合的に可視化し、複雑な環境下でのパフォーマンス管理、トラブルシューティング、トラフィックの最適化を統合的に行うことによって、高品質なユーザー体験を提供することが可能になります。ハイブリッド環境全体からデータを収集・分析すれば、より早く異常を検知し、より正確に問題を診断し、より迅速に問題を解決するなど、プロアクティブな取り組みが可能になります。

また、グローバルサーバーロードバランシング(GSLB)機能を使えば、アプリケーションのトラフィックを各ユーザーにとって最適なサイトにインテリジェントに誘導することが可能になるため、ユーザーに最高のサービスを提供することができるようになります。

また、従業員の生産性と顧客満足度を維持するためには、クラウド間の高可用性、ディザスタリカバリ、迅速なフェイルオーバーを確保することが不可欠です。グローバルトラフィック管理を使用すれば、各サイトの稼働状況と応答時間に応じて迅速にインテリジェントな調整を行うことができるようになり、アプリケーションを中断することなく提供できます。

同様にADCソリューションでは、パブリッククラウドをオンプレミスデータセンターのバックアップとして利用する際、GSLB機能を利用して、いつ、どのようにその容量を利用するかを判断し、それに応じてトラフィックの経路を変更することができます。

ビジネスの信頼を一瞬で破壊するサイバー攻撃

アプリケーションのパフォーマンスと可用性は、ユーザーの満足度とロイヤルティの基盤となるものですが、サイバー攻撃はその信頼を一瞬で破壊してしまいます。ランサムウェアやDDoS攻撃などの脅威が高度化し、企業環境が分散的かつ動的になりつつある今、セキュリティとコンプライアンスは重要です。

ADCソリューションを使用すれば、使用しているすべてのプラットフォームに対し統一されたポリシーを提供することが可能になり、アプリケーションやサービスがどこに展開されていても、同じように一貫したセキュリティを容易に提供することができるようになります。

また、クラウドとオンプレミスの二つのプラットフォーム間で認証を一貫して管理することで、ゼロトラストセキュリティモデルに対応しながら、従業員のニーズに合った適切なレベルのアクセスを提供することができるようになります。

セキュリティ分析、DDoS対策、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)、認証、最新のSSL/TLS暗号方式、脅威インテリジェンスなどのセキュリティ手法により、多層的なセキュリティ対策を実現します。

デジタルスピードでDevOpsをサポートし、運用を簡素化する

DevOpsは、DXの中核となる手法であるだけでなく、一連の技術的要件でもあります。ソフトウェア開発において、開発チームと運用チームがライフサイクル全体にわたって効率よく連携するためには、アプリケーションの開発、デプロイ、変更、管理の方法をシンプルにする必要があります。プラットフォーム間で標準的な自動化ツールを使用すれば、一貫したベストプラクティスを確保することができるようになります。経験の浅いチームメンバーでもより迅速に効果的な作業ができるようになり、チーム全体の作業効率向上につながります。継続的インテグレーションとデリバリー(CI/CD)をリアルタイムで可視化することで、アプリケーションが本番稼動する前に、問題を発見することができます。

DXが急速に進むと、投資コストだけではなく管理の複雑さが増大していきます。ADCソリューションでハイブリッドクラウドやマルチクラウド環境全体における単一の管理ポイントを提供すれば、包括的な可視性と分析による実用的なインテリジェンスを提供することが可能になり、従業員がリソースをより効率的に賢く使用することができ、問題の回避と運用の簡素化に役立ちます。

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