謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
A10ネットワークスは、ネットワーキング、セキュリティ、そしてAIという三本柱をさらに磨き、2026年を「AIセキュリティインフラの実装フェーズ」と位置づけています。長年培ったADC(アプリケーションの負荷分散・最適化)、CGN(IPv4枯渇対策の大規模NAT)、Defend(DDoS攻撃対策プラットフォーム)の知見を基盤に、AIを運用へ確実に組み込むことで、高性能・低遅延・高信頼のインフラを提供してまいります。
■ 2025年:AIと脅威進化が交差した一年
当社のソリューションは世界7,000社以上のお客様にご導入いただき、サービスプロバイダからエンタープライズ、地方自治体まで活用の場は大きく広がっています。さらに、日本とアジア太平洋地域を統合したリージョン運営が定着したことで、日本発の事例がアジアへ展開され、アジアの取り組みが日本の改善につながるという相互作用が加速しています。
ネットワーク防御では、ThreatX社の買収でAPIセキュリティの強化を進め、攻撃者行動の追跡・スコアリングが可能になる行動分析エンジン「HackerMind」を搭載した「ThreatX by A10Networks」を日本で提供開始しました。これにより、従来の単一攻撃検知を超えた能動的な防御を可能にしています。さらに、「Cloud Access Controller」のアップデートを通じて安全なクラウド利用を強力に支援するとともに、AI Firewallの早期トライアルプログラムも受付を開始しています。
AI領域では、AI Firewallを搭載した「A10 Thunder 1060S-AI」を日本にて世界初公開し、プロンプト / レスポンスのフィルタリングをネットワークレイヤで実装するという新しい価値を提示しました。Interop Tokyo 2025では「Best of Show Award」のセキュリティ(for AI)部門にて審査員特別賞を受賞し、現在も複数のお客様・パートナー企業と実運用前提のPoC(概念実証)を進めています。
ハードウェアでは、第6世代Thunderシリーズとして、400Gポートを搭載したハイエンドモデル「A10 Thunder 8665S」や、エントリーモデルの「A10 Thunder 1060S」に続き、昨年12月に新ハイミドルレンジモデルの「A10 Thunder 7460S / 7460S-MAX / 7465」の3機種を投入しました。新たなハードウェアは、AI関連機能を追加した独自OSである「ACOS ver.7」により、暗号処理とポリシーエンジンの高速化を実現し、モジュラーライセンスにより、拡張性と投資効率も向上させています。
運用基盤もDefend OrchestratorとHarmony Controllerの機能を統合したことで「A10 Control」へと進化し、セキュリティとネットワークをより直感的に操作できる環境を整えています。
■ 2026年:AIが前提となる時代のセキュリティを再定義する
AIの急速な普及により、トラフィックの爆発的な増加、ハイブリッドクラウドの複雑化、AIを悪用したサイバー攻撃の高度化など、企業ネットワークはかつてない変化に直面しています。AI活用と安全性の両立という最大の課題に対して、性能確保、セキュリティ強化、運用負荷の軽減を同時に達成することが重要です。2026年、A10ネットワークスはこれらの課題解決に向けて実装フェーズを加速します。
1. AIセキュリティの定着と実装を完遂
今年、AI Firewallはいよいよ実装フェーズへと進みます。昨年の発表後、ログ強化、カスタムポリシー、ダッシュボード改良など、運用現場で求められる機能追加を重ねてきました。SCSK様との検証で得られた知見を基により実用的な機能の追加を進め、正式リリースへ向けた最終段階に入ります。さらに「A10 Cloud Access Controller」と連携したAI Firewallの無料早期トライアルプログラムを提供する予定です。
2. AIによる管理・運用の強化とAPI防御のアップデートで止まらないインフラを構築
AIを活用することにより、従来の統合管理だけでなく、障害分析の支援や性能予測機能を加えた新しいかたちの管理・運用支援機能の実装を推し進めます。運用者は膨大なイベント対応で後手に回るのではなく、障害を未然に防ぐことができる高度な判断と戦略的な運用に集中できるようになるでしょう。API防御ではThreatXの技術を軸に、単発のアラートではなく"攻撃者の行動そのもの"を追跡するモデルへ進化し、AIエージェント間通信やサプライチェーンを狙う新たな脅威にも対応します。
3. AI時代のネットワーク基盤を支える第6世代A10 Thunderの拡充
高性能・低遅延・高信頼を満たすネットワークへの要求は急激に高まっています。昨年のハイミドルレンジ投入に続き、2026年はさらに新しいモデルを追加し、通信事業者様から自治体のお客様まで幅広いAI活用ニーズに最適化されたラインナップを整えます。A10ネットワークスは、アプリケーションとネットワークの間をつなぐゲートウェイとして、柔軟なライセンス体系や運用のしやすさを提供し、複雑化する課題の解決に貢献していきます。
2026年は日本で磨かれた知見を基盤に、アジア太平洋地域全体へ成果を広げ、同時に世界のフィードバックを日本へ還元する循環を加速させます。また、PoCやトライアルを通じてユースケースを共創するとともに、ネットワーク技術とAIを融合させ、能動的で止まらないインフラ構築を支援する一年を目指します。
本年も皆様の継続的なご支援に心より感謝申し上げるとともに、挑戦と繁栄の一年となることを祈念いたします。
A10ネットワークス株式会社
日本法人代表 兼 社長 米国本社バイスプレジデント
日本 アジア太平洋地域 代表
川口 亨
