※本ブログは米国時間2026年9月8日に公開されたA10本社ブログの日本語訳です。原文はこちらからご覧ください。

Wiz社のAIアプリケーション保護プラットフォーム(AI-APP)の提供開始にあわせて、TrojAI by A10 Networks(以下TrojAI)とWiz社AI-APPの連携を発表します。この連携により、Wiz社のAI資産検出機能とTrojAIのAIセキュリティテストおよびランタイム保護機能が連携し、可視性、テスト、保護を中心とした継続的なAIセキュリティ対策のワークフローを実現します。

この記事の要点

  • AIレッドチーミングは、単一モデルのテストから、AIシステム全体を対象とした攻撃シミュレーションへと移行しています。これは、コンポーネント間の連携部分で新たなリスクが生じているためです。
  • Agentic AI(エージェンティックAI)の登場によって攻撃対象領域が拡大し、わずかなプロンプト操作でも、複数のアクションが連鎖することで現実世界に影響を及ぼす可能性があります。
  • 敵対的テストは、政府機関、研究機関、企業において実践的なセキュリティ活動として定着しつつあり、単発のテストから継続的な攻撃シミュレーションへと移行しています。
  • AIシステムは確率的に動作し、コンテキストセンシティブ(文脈や状況によって振る舞いが変化する)うえ、継続的に進化しているため、従来のセキュリティ対策だけでは十分に対応できません。
  • 今後は、一度限りの監査ではなく、AIのライフサイクル全体に組み込まれた、継続的かつシステム全体を対象とするセキュリティ対策が必要です。

TrojAIとWiz社AI-APPの連携で実現できること

企業がAIアプリやAIエージェントの導入を進めるにつれて課題となるのが、AI資産の可視性とセキュリティです。TrojAIとWizは、発見、テスト、保護を中心としたクローズドループシステムを通じて、これらの課題に対処します。

Wiz社AI-APPは、環境全体にわたるAIモデルとエンドポイントを特定してインベントリを作成し、TrojAIはそのインベントリを取り込んで自動レッドチーミングを実行します。インベントリが完了すると、TrojAI Detectのエージェント主導型レッドチーム演習は、敵対的エージェントを活用して、プロンプトインジェクション、データ漏洩、安全ではない振る舞いなどのリスクについてモデルをテストします。テスト結果はWizにフィードバックされ、AI固有の知見とコンテキストによってセキュリティグラフ(*)が強化されます。AIリスクに関するより詳細なコンテキストが得られることで、TrojAIユーザはTrojAI Defendを使用して、実行時にAIを積極的に監視および保護することができます。
(*) Wizセキュリティグラフ:クラウド環境内のさまざまなセキュリティ要素を詳細に可視化し、セキュリティ対策に役立つ情報を提供する仕組み。

TrojAI + Wiz | Comprehensive AI Security

なぜ重要なのか

今日のほとんどの企業は、断片化されたAIセキュリティ環境に直面しています。AIシステムの明確なインベントリがなく、現実世界で想定される脆弱性に対するモデルのテストに苦慮する一方で、AI導入の加速も求められています。リスクの優先順位付けと対策のための統一的な方法がありません。

TrojAIとWiz社AI-APPの連携により、これらの懸念事項が解消されます。Wiz社AI-APPとTrojAIを組み合わせることで、セキュリティチームはAI資産を完全に可視化し、ジェイルブレイクやデータ漏洩といった悪用可能なリスクを継続的に特定できます。さらに、Wizコンソールを使用して実際の攻撃経路やクラウド環境に基づいて脅威の優先順位付けを行い、TrojAI Defendを活用して、プロンプトインジェクション、データ漏洩、有害コンテンツといったAIの脅威を積極的にブロックするランタイムポリシーによってAI資産を監視・保護できます。

仕組み

  1. 発見:Wizは対象環境をスキャンし、AIモデルとエンドポイントを特定します。
  2. テスト:TrojAIはこのインベントリを取得し、自動レッドチーミングを実行して、プロンプトインジェクションや機密データの漏洩などの脆弱性を検出します。
  3. 強化と優先順位付け:調査結果はWizにフィードバックされ、クラウドインフラストラクチャのコンテキストと関連付けられて、実際の攻撃経路が特定されます。
  4. 保護:TrojAIは、潜在的なエクスプロイトを防止するためにランタイムガードレールを適用し、悪意のあるプロンプトをブロックし、機密データを編集し、リアルタイムのやり取りを監視します。

全体像

Wizは、AIがどこに存在し、クラウド環境のリスクとどのように関連しているかを可視化します。TrojAIは、そのAIがどのような攻撃を受ける可能性があるかを明らかにし、リアルタイムで攻撃を阻止するためのツールを提供します。

Wizによるクラウド環境とAIの可視化機能に、TrojAIの詳細なAIセキュリティテストとセキュリティポリシーの適用機能を組み合わせることで、組織は事後対応型のセキュリティから、AIの開発から本番運用までを通じて保護する、予防的かつ継続的なセキュリティ対策へと移行できます。

■ よくある質問(FAQ)

Q. TrojAIとWiz社AI-APPとの連携とはどのようなものですか?
A. TrojAIとWizの連携は、WizによるAI資産の検出機能と、TrojAIによる自動化されたレッドチーミングおよびランタイム保護機能を連携させた、AIセキュリティのクローズドループ・ワークフローです。具体的には、Wizが環境全体にわたるAIモデルやエンドポイントを特定・インベントリ化し、TrojAIがそのインベントリ情報を取り込んで脆弱性テストを実施します。そして、そのテスト結果がWizにフィードバックされ、AI特有のリスクに関するコンテキストによってWizのセキュリティグラフが強化されます。
Q. Wizとの連携によってAIセキュリティはどのように強化されますか?
A. この連携は、企業が直面する3つの主要な課題、すなわちAI資産の可視性の欠如、実際の攻撃を想定したモデルの脆弱性テストの難しさ、リスクの優先順位付けと対策を行うための統一的な手段の不足に対処するものです。Wizのクラウド環境とAIの可視化機能に、TrojAIのセキュリティテストおよびランタイム保護機能を組み合わせることで、セキュリティチームはAI資産の検出から保護までを継続的にカバーし、個別のツールだけでは把握できなかったセキュリティ上の死角を解消できます。
Q. Wiz社のAI資産検出機能はどのような役割を果たすのでしょうか?
A. Wiz社のAI資産検出機能は企業環境をスキャンしてAIモデルやエンドポイントを特定・インベントリ化し、AI資産の全体像を把握できる包括的なマップを作成します。このインベントリ情報はTrojAIと共有され、検出されたすべての資産に対する自動セキュリティテストが可能になります。TrojAIによる検出結果はWizにフィードバックされ、クラウドインフラのコンテキストと関連付けられます。これにより、チームは実際の攻撃経路を特定し、修復作業の優先順位を適切に判断できるようになります。
Q. TrojAIのレッドチーミングは、Wizとどのように連携するのでしょうか?
A. TrojAIはWizからAI資産のインベントリを取得し、検出された各モデルやエンドポイントに対して、AIエージェントを活用した自動レッドチーミングを実行します。これにより、プロンプトインジェクション、データ漏洩、ジェイルブレイク、安全でない動作といったリスクをテストします。テスト結果はWizのセキュリティグラフに反映され、AI特有のリスクに関する情報が追加されます。これらの情報をクラウド環境全体のリスク情報と関連付けることで、対処すべきリスクの優先順位をより正確に判断できます。
Q. TrojAIとWiz社AI-APPとの連携はどのように設定すればよいですか?
A. この連携機能は、Wiz Integrations Marketplaceから利用可能です。まずはWiz上のTrojAI連携ページをご覧ください。導入のガイダンスや、お客様の環境への適合性についての詳細を知りたい場合は、お問い合わせください。