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【開催レポート】A10 Forum 2015
~最新のアプリケーション配信、セキュリティ、SDN/NFVソリューション~

A10 Forum 2015 - 最新のアプリケーション配信、セキュリティ、SDN/NFVソリューション - 開催レポート
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A10 Forum 2015 開催!
次世代のITインフラを担うA10ネットワークスのテクノロジー&サービスとは

A10ネットワークスは2015年4月15日、東京コンファレンスセンター・品川で「A10 Forum 2015」を開催しました。

第4回目を数える今年のテーマは、「最新のアプリケーション配信、セキュリティ、SDN/NFVソリューション」。クラウド、SDN、セキュリティといった旬のキーワードを基に、柔軟性・俊敏性に富んだ同社のアプリケーション配信ソリューションや、新たなサイバー攻撃対策の手法について、3社の事例を含む8つの講演と展示を通じて細かに紹介しました。

会場には400名弱の聴講者が集まり、セミナー会場はほぼ満席状態、休憩時間には展示会場も人であふれるほどの盛況ぶりとなりました。

A10 Forum 2015 開催!
A10ネットワークスのビジョンと方向性
A10 Networks, Inc. 創業者 兼 CEO リー・チェン
ACOS®(Advanced Core Operating System)を中心とした技術開発と
パートナーのサポートに注力
A10 Networks, Inc. 創業者 兼 CEO リー・チェン
開催に先立って挨拶に登壇したA10 Networks, Inc. 創業者 兼 CEOのリー・チェンより、A10ネットワークスの最新情報アップデートとビジョン、および今後のビジネス戦略について説明を行いました。

A10は、2010年以降、CAGR(年平均成長率)34%という数字で堅調に成長しており、そうして得た資金を元とした投資も積極的に行っています。特に技術とサポートへの投資は、2014年には総額の38%という大きな金額を割り当てました。A10の源は「ACOSプラットフォーム」と「パートナーシップ」だと考えているためです。

あらゆるA10ソリューションの基板となる独自OS「ACOS」は、当初より革新的なプラットフォームとして登場し、ITインフラが専用ハードウェアから仮想基盤、クラウドへと移り変わっていくに従って、最新の技術を取り入れてきました。

A10の3つのソリューション、「アプリケーション配信(ADC)」や「IPv4枯渇対策/IPv6移行(CGN)」、「大規模DDoS防御(TPS)」はすべてACOSを基盤として成り立っており、国内外の大手通信事業者やサービス事業者を始め、多数のユーザーに親しまれています。

「A10の戦略は、非常にシンプル。最高のプラットフォームを開発し、最高のアプリケーション/セキュリティサービスのポートフォリオを揃え、そして最高の一元管理用ソリューションを提供すること──これに尽きると考えています」

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A10 の日本におけるビジネス戦略
A10ネットワークス株式会社 日本法人代表 兼 社長 米国本社バイスプレジデント 川口亨
A10、パートナー、エンドユーザー
三者が利を得る「Win-Win+Win」を目指す
A10ネットワークス株式会社 日本法人代表 兼 社長 米国本社バイスプレジデント 川口亨
つづいて登壇した日本法人代表 兼 社長 米国本社バイスプレジデントの川口亨より、A10ネットワークスの日本におけるビジネス戦略について説明しました。

A10は世界26か国にオフィスを展開して65か国の顧客と取引し、現在もアメリカや日本を中心に、アジアやヨーロッパでもビジネスを拡大している最中です。2014年3月21日には、ニューヨーク証券取引所に上場し、パブリックカンパニーとしての道を歩み始めました。

グローバルカンパニーとしてのA10の基本方針はリー・チェンが語ったとおりですが、さらに日本法人などのローカルに目を向けたとき、本社と強力に連携しながら「地域固有の商習慣を尊重したパートナーシップ」がプラスされます。A10とパートナーとのWin-Winだけでなく、その先にいるエンドユーザーまで含めた「Win-Win+Win」が、本来の目的だと考えます。

日本国内のビジネスはパートナーにもユーザーにも恵まれ、順調に推移しています。日本市場に向けて何を提供すべきかをしっかりと本社に伝え、実践していくことが自身のミッションであると考えています。例えば、国内ユーザー向けに独自の品質管理体制を敷いたり、米国本社に日本専任の担当者を置いたり、パートナーと連携して国内向けのOEM製品を販売したりといったことです。

A10のビジネスは、もともとキャリア/通信事業者向けに強みを持っていましたが、今後はさらにエンタープライズ向けの戦略や製品開発にも注力していきたいと考えています。そして最新のACOSでは「A10 Harmony™」を提供し、クラウドへの対応も強化していきます。

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次世代のクラウドアーキテクチャーを支援するA10の最新ソリューション
A10ネットワークス株式会社 マーケティング部 部長 兼 エバンジェリスト 高木真吾
A10 Harmonyで実現する
クラウドに適したダイナミックなサービス
A10ネットワークス株式会社 マーケティング部 部長 兼 エバンジェリスト 高木真吾
川口が紹介したA10の新しいアーキテクチャ「A10 Harmony」。これに関しては、マーケティング部 部長 兼 エバンジェリスト 高木真吾が「次世代のクラウドアーキテクチャーを支援するA10の最新ソリューション」と題した講演で詳細を解説しました。

私たちのビジネスを取り巻くIT環境において、"クラウド"へシフトしようとする流れが顕著になっています。現在は一部が自動化された"第一世代クラウド"と言えます。今後は、より自動化の範囲が広がり、ダイナミックにリソースを管理する時代がやって来ると予測しています。

そこで注目されているのが、設定作業などをプログラミングして自動化するSDx的な手法です。A10およびACOSもこの「プログラマビリティ」の流れを踏襲しながら製品開発を進めてきました。
また、ADCについては、従来のロードバランサ―だけではなく、セキュリティやクラウド対応などさらに多数のアプリケーションを融合した「ユニファイドアプリケーションサービス」といった形に進化しています。

「プログラマビリティ」、「ユニファイドアプリケーションサービス」の両面から生まれたのが、最新の「ACOS 4.0」と、その基盤となるA10 Harmony アーキテクチャです。

A10 Harmony アーキテクチャー

A10 Harmonyは、「使いたいときにいつでも、どこでも」と言ったコンセプトのもと開発された、次世代データセンターへの柔軟な統合を可能にするプラットフォームです。フルオープンなAPIを採用し、完全に外部からプログラム可能なADCとなりました。アプリケーションやユーザーの要求に応じて自由にセキュリティや負荷分散といったサービスを提供できる環境が実現されます。

ポリシーペースアプリケーションネットワーキングへの挑戦

A10 Harmonyによって、プログラマビリティの向上やアプリケーションの統合、セキュリティ機能の強化が図られ、SDN/クラウドに最適なアプリケーションサービスが提供できるようになります。

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A10ネットワークスの多彩なセキュリティソリューション
A10ネットワークス株式会社 ビジネス開発部 シニアソリューションアーキテクト 熊村剛規
相乗効果と適材適所で
セキュリティを強化する
A10ネットワークス株式会社 ビジネス開発部 シニアソリューションアーキテクト 熊村剛規
ビジネス開発部 シニアソリューションアーキテクトの熊村剛規より、「A10ネットワークスの多彩なセキュリティソリューション」というタイトルで講演を行いました。この講演では、製品だけでなくパートナーアライアンスまで含めた総合的なアプローチについて解説しました。

A10は、脅威への対抗やセキュリティ業務の自動化に向けて、さまざまなセキュリティ/ネットワークベンダーからなるエコシステム「A10 Security Alliance」の形成に取り組んでいます。他社製品との組み合わせによって機能強化やパフォーマンス強化を実現する「相乗効果」により、ユーザー企業のセキュリティ課題の解決を支援するのが目的です。

今回紹介した中で注目すべきセキュリティ機能の一つは、「SSLインサイト」。セキュリティ製品にA10製品を組み合わせることにより、SSL復号・暗号化によるパフォーマンス低下を防ぎながらトラフィック検査の漏れをなくすことができる機能です。ここでは、専用装置がそれぞれ得意とする処理を行うことで、効率的にSSLトラフィック検査を行います。通信内容の検査はそれを得意とする専用セキュリティ装置が、SSLの復号・暗号化処理は、パフォーマンスの高いSSL処理を得意とするA10製品が行うといったものです。

トラフィック検査の漏れを無くす - SSLインサイト

もう1つの注目機能である「アプリケーションアクセス管理(AAM)」を用いることで、AWSやOffice 365、Salesforceなどのパブリッククラウドサービスのアカウント管理がシンプルになり、運用やセキュリティに関する課題を解決できるようになります。

さらに現在注力しているのが「WAF(Web Application Firewall)」機能です。Thunder™ ADCに搭載された最新版の「WAF 2.0」では、各種セキュリティ標準への対応に加えて、「aFleX®スクリプトによるWAFコマンドのサポート」といったプログラマビリティの強化やレポーティング機能の搭載も図られています。

基本的なセキュリティ機能を備えたThunder ADC/WAFで"基礎体力"を付け、ゼロデイ攻撃などに対向する最前線には専門ベンダーが提供する専用アプライアンスを採用するという『適材適所』が、昨今の脅威には効果的です。

また、Thunder ADCに以前から実装されているSSLオフロード機能も、Thales社製品との連携を実現することで、より強固な暗号通信を行うことが可能となります。

DDoS攻撃防御専用アプライアンスとして開発されたThunder TPSについても、機能強化のために現在様々なベンダーとの検証が進められています。攻撃検知能力に優れた他社ベンダー製品、例えば、Genie Networks社製品やArista社製品との連携によってDDoS攻撃の検知スピードの向上や攻撃の可視化を実現することが可能になります。

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全盛のクラウドサービスを最適化するA10の最新技術動向
A10ネットワークス株式会社 ビジネス開発本部 ビジネス開発部 部長 佐野龍也
クラウドサービス向けの
ソリューションにも注目
A10ネットワークス株式会社 ビジネス開発本部 ビジネス開発部 部長 佐野龍也
日本のクラウド市場は、米国に比べて歩みは遅くとも順調に成長しており、ハイブリッドクラウドへの転換も起きつつあります。こうした市場動向に向けてA10が提供しているのが、ビジネス開発本部 ビジネス開発部 部長の佐野龍也より紹介した「aCloud™サービスアーキテクチャ」です。このセッションでは、特に"SDDC"の分野におけるaCloudのアーキテクチャと役割について説明しました。

aCloudは、IaaS事業者向けに開発され、ADCとSDN/クラウドプラットフォームとを連携することにより、マルチテナント環境においてネットワークサービスをダイナミックにプロビジョニングできるサービスアーキテクチャです。そのため、さまざまなフォームファクタからADCを選択し、さまざまなプラットフォームと連携させることが可能となっており、クラウド環境向けの管理ツール(aGalaxy®)や従量課金体系(PAYG)も用意されています。

そうした特長から、aCloudを構成するコンポーネントは、OpenStackやMicrosoft SCVMM向けのプラグイン、IBM SDN VE向けのADC/CGNアプライアンス、Cisco ACIやVMware、NEC WebSAM/MasterScopeへの対応機能など、非常に多岐にわたります。IaaS向けの仮想アプライアンスも充実しており、今後様々なクラウド基盤への対応を予定しています。

昨今では、Office 365やGoogle AppsなどのSaaS型コミュニケーションツールを採用するユーザーも増えています。ところが、導入後にトラフィックが増大し、WebプロキシやURLフィルタリングなどのセキュリティ機器への負荷が発生するという課題が様々なユーザーから聞かれるようになってきました。A10はこれらを解決するソリューションを提案していますが、ニーズは確実に増えてきています。

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展示会場
A10パートナーへ直接質問
具体的なソリューションを詳しく紹介
会場の様子
会場の様子

展示会場では、A10と強力なパートナー8社によるパネルやデモ機の展示を行いました。

A10ブースでは、講演中に紹介した各パートナーと形作るエコシステム「A10 Security Alliance」を中心としたセキュリティソリューションの説明やThunder / AXシリーズトレーニングコースのキャンペーンの紹介を行いました。

本カンファレンスでは、各講演で紹介されたソリューションについて、さらに具体的な導入方法や組み合わせ方法などを、パートナー各社のスタッフが展示物やデモ環境を用いて説明させていただきました。パートナー各社が提案する内容は見どころが多く、講演が終わるたびに多くの参加者が説明員の話に耳を傾け、細かな疑問を投げかけている様子が見られました。

会場の様子
会場の様子
会場の様子
会場の様子
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