
1996年、インターネット上で情報検索サービスを提供することを目的に設立されたヤフー株式会社。「何をするにも、いつもそこにYahoo! JAPAN」という企業理念に基づき、生活をより豊に、便利に、価値あるものへと導くための「ライフ・エンジン」を目指しています。このYahoo! JAPANのサービスを支えるネットワークインフラを強化するために、A10ネットワークスのAXシリーズが採用されました。
ヤフー株式会社(以下、ヤフー)は、インターネットの情報検索サービス「Yahoo! JAPAN」を運営し、ショッピング、ニュースなど、150種類以上のサービス(2011年11月末現在)を提供しています。アクティブユーザ数は2576万ユーザで、月間総ページビューは521億6000万PV(2011年9月末現在)に達しており、システムの故障や障害の発生によるサイトの停止や、急激なアクセス数の増加による性能の低下は、会社の売上や株価に直結する可能性があります。そのため常に高速で、安定したネットワークインフラを維持し続けることが求められます。
しかし、PCはもちろん、携帯電話やスマートフォンからのアクセス数の増加もあり、ロードバランサがピーク時の負荷に耐えられなくなる可能性があるという課題を抱えていました。オペレーション統括本部 運用技術本部 インフラ技術1部 NW1リーダーの高澤信宏氏は、次のように話します。
「Yahoo! JAPANに限らず、現在のインターネット環境では、動画を利用したサービスが増えています。そのため、特にスポーツイベントなどがある場合には、コネクション数やリロード回数の増加につながっています。1日の中では、やはり昼休み中のアクセスが多く、ネットワークに負荷がかかっています」
ヤフーでは、これまでに発生したトラフィックの最大値や過去最高のコネクション数を記録しておき、ネットワーク環境は、この数値に基づいてピークに十分耐えられる性能を常に確保できるよう設計しています。
高澤氏は、「今後のトラフィック増に対応するために、高スペックなウェブサーバやアプリケーションサーバの導入を進めていました。それに伴い、パフォーマンスの優れたロードバランサの導入が必要になっていました」と話しています。
ヤフーでは、2008年夏ごろから新しいロードバランサの導入に向けた検討を開始。いくつかの製品を比較検討した結果、A10ネットワークスの「AXシリーズ」導入を決定します。
2009年11月にAXシリーズの導入作業をスタートし、2010年1月よりAXの本格的な運用を開始しました。
また2010年夏ごろには、更に高いスケーラビリティを実現した64ビット製品を導入。
高澤氏は、「サーバ環境はどんどん64ビット対応になるので、ネットワーク環境も64ビット対応を、と考えていました。AXの64ビットプラットフォームは高い可能性を持った製品だと思います。今後も常に新しい技術を試してみたいと思っています」と話します。
さらにサービスインフラのディザスタリカバリ用途としてAXのGSLB(Global Server Load Balancing)機能が使用されています。また、社内システムが動作するネットワーク環境では、Exchangeサーバやその他の業務システムと連携してAXが動作しています。1年以上の評価期間をとってAXシリーズの採用を決めた理由を、オペレーション統括本部 運用技術本部 インフラ技術1部NW1の恒川幸氏は、次のように語ります。
「まずテスト環境でロードバランサに必要な基本的な機能の検証を実施しましたが、AXシリーズの機能は十分満足いくものでした。さらに、運用に必要なヤフー独自の機能を追加開発してもらいましたが、この時の販売パートナーとA10の連携もよく、迅速かつ柔軟に対応してもらえました。その後、本番環境で検証を行い、問題がないことを確認して本番稼働しています。設定に関しても、直感的に使えるインタフェースが提供されているので、特に大きな問題もなく導入できました」
AXシリーズを導入した効果を高澤氏は、「CPUへの負荷をまったく気にしなくていいことです。初期導入したAXでは、ある程度のピーク時の性能を確認できましたが、64ビットのAXはまだ本気の性能を見せたことがありません」と話し、恒川氏は「省スペース、省電力であることもその1つです。データセンタの設置スペースも電力消費量も明らかに低減しています」と語っています。

さらに高澤氏は、「ロードバランサには、さまざまな機能が搭載されており、必要な機能をすぐに使いたいことがあります。このとき他社製品では、使いたい機能が別ライセンスのためにすぐに使えないことがあります。AXシリーズは、すべての機能が導入時のライセンスに含まれているので、使いたいときにすぐに使えるのが非常に便利です」と話します。
今後の展望について「社内のトラフィックの流れが変化している印象があります」と語る高澤氏。「そろそろ、次の段階のネットワーク構成も考えていかなければならない段階に来ているかもしれませんが、AXシリーズには今後も期待しています」
日本最大級の情報検索サービスを展開するヤフー株式会社と革新的なアプリケーション配信を提供するA10ネットワークス株式会社。ネットワーク分野において、注目度の高い「仮想化」「IPv6」「GSLB」に対する取り組みや今後の期待について、ヤフーの恒川幸さんとA10の天田賢が語ります。
天田 「ネットワークの仮想化が浸透しはじめていますが、仮想化の推進についてお聞かせください。」
恒川 「ネットワークの仮想化は構成が複雑になるなど、サーバの仮想化に比べてハードルが少し高い面がありますが、有効な技術だと思います。」
天田 「A10は仮想化技術の一つとして、ADP(Application Delivery Partition)という複数構成を1台に集約可能にする技術を提供していますが、ヤフー様のご予定は如何ですか?」
恒川 「ネットワークの仮想化にはもちろん興味があります。現状ではアグレッシブに導入できる体制が整っていないだけです。ただし、ADPを利用しながらDSR(Direct Server Return)とインラインといった異なる構成を仮想化によって一台に集約するシステムを実現したいと思っています。」
天田 「すでにIPv6を利用されているそうですが、IPv6のトラフィックは増加していますか?」
恒川 「会社の戦略上、あまり詳しくはお話しできないのですが、IPv4も、IPv6も、同様に対応しています。IPv6はアドレスがやや読みにくい程度で、特に抵抗感はありません。IPv6 L3 DSRも導入していく予定ですが、特にIPv6 GSLBに関して積極的に対応していく計画です。
同時にIPv6や仮想化に対する検証も実施しています。その結果、IPv6も仮想化もまったく問題なくAXシリーズで利用できる確証を得られました。IPv6や仮想化の本格的な実装に向け、安心感が増しました。」
天田 「GSLBによるディザスタリカバリ(DR)で、ダウンタイムを軽減させる計画だとお聞きしました。今後の事業継続計画(Business Continuity Plan:BCP)に対する考えをお聞かせください。」
恒川 「GSLBを利用したDRは、すでに複数拠点で構築しており、稼働しています。サービスの停止は、ビジネスの損失に直結してしまうので、データセンタの冗長化構成など、今後も積極的に推進していきたいと思っています。」
天田 「東京からのアクセスは東京のサーバに、大阪からのアクセスは大阪のサーバにと、利用状況やロケーションを考慮して最適なサイトに振り分けることで、より高品質なサービスを実現することもできます。」
恒川 「今すぐに実現とはいきませんが、将来的に導入するための準備はしています。今後のA10のサポートにも大いに期待しています。」
天田 「ありがとうございました。これからも、お役に立てるソリューションを、提供していきたいと思っております。今後ともよろしくお願いします。」
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